• だしと私 2021.08.17

vol.35 スタイリスト 石井 佳苗さん

だしプレッソで忙しい夏を乗り切る

デザイナーものの家具も、アウトドアグッズも、アーティストの絵やオブジェも独自のセンスでミックスし、心地よい空間を創り出すインテリアスタイリストの石井佳苗さん。広告や雑誌などで大活躍の傍ら、インテリアスタイリングのオンライン講座も開講するなど、その活動は多岐に渡っています。そんな多忙な日々を送る石井さんの食生活とは?

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「忙しい日が続くときはお刺身だけ買ってきて終わり、ということもあるけれど、基本的に夕飯は家で簡単なものを作って食べるかな。お昼は仕事場でロケ弁ということも多いから、なるべく家で食べようと心がけています」

とはいえ、夜はあまりヘビーなものではなく、野菜を中心としたかるい食事が多いのだそう。

「今はとうもろこしがおいしいから、よく食べています。昨日も、香る鰹だし醤油を塗って焼いて食べました。醤油の香ばしさに加えて風味がすごくよくておいしかった!」

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いつもは野菜をまとめて茹でておいたものを食べるだけのことも。

「料理といっても、本当に簡単なことだけ。今は1人暮らしだから、なかなか頑張った料理はしないし、キュウリも3本入りだと余っちゃうくらい。だから余った野菜をだしプレッソに浸けて浅漬けみたいにすることがよくあります。キュウリを切って、生姜とだしプレッソと一緒にポリ袋に入れておくとか、かるくゆでたカリフラワーと赤唐辛子を一緒に漬けるとか。旨味が増して、おいしいんです。忙しいときはそういう感じのものを作って、一人でポリポリ食べてます(笑)」

疲れてるときに食べたくなるという牛肉も、だしプレッソでマリネ。

「牛肉に塩、胡椒をして、だしプレッソと一緒にポリ袋に入れてマリネしておけば、あとは焼くだけですっごくおいしい」

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もともと料理上手な石井さん。丁寧におだしをとる生活には憧れるものの、忙しいときはそんな気持ちの余裕がありません。

「だけど、おいしいだしさえあればなんとかなる。何を作っても基本の味がおいしくなるというか。私にはだしプレッソがとにかく手軽でありがたいんです。だしプレッソにちょっと塩を加えるだけで、なんだかすごく奥深い塩味、になる」

だしプレッソでマリネしておいた牛肉を焼いて、レモンを絞り、胡椒と山椒をかけたステーキ。たしかにとても手軽なのに、夏バテを吹き飛ばすほどおいしそう!

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「こういうシンプルな料理は、今まで塩と醤油で味付けしていましたが、醤油の代わりにだしプレッソを使うのが好きになりました。色もやさしくなるし、品のよい味になる。醤油を入れたくなるところを抑えてだしの味を楽しむという、大人の味でしょ」

とにかくだしプレッソが好き!と話す石井さん。最初に使うときは、レシピブックを参考にしたそう。

「だしプレッソが届いてすぐに試したのが、だしソワーズ。豆乳とだしプレッソを混ぜるだけなのに、めちゃくちゃおいしくって。火も使わないし、豆乳さえあればできるなんてすごくうれしいレシピでした。豆乳とか卵との相性がすごくいいですよね」

ほかにも、お味噌汁や麺もののおつゆに使ったり、ポタージュを作ったりと、活用している様子。

「シンプルな使い方しかしてないけれど、普通の料理もだしが違うとおいしい。そういうことが嬉しいんですよね。トマトジュースにもだしプレッソを加えたらガスパチョみたいになります。そこに茹でたひやむぎを入れて、仕上げにオリーブオイルを少したらしたらすごくおいしかった! 黒炒りごまがアクセントです」

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だしプレッソガスパチョに、パンとサラダを添えたら立派な献立です。生クリームを加えてもいいかも、と石井さん。

「トマトを使うときは昆布のだしプレッソ、お肉とか強い風味のものを使うときは鰹のだしプレッソと、自分のなかでなんとなく使いわけています。豆乳との相性が気に入っているので、豆乳ヨーグルトと合わせてなにか作ってみたいな。それをソースみたいにして野菜と和えてもおいしそう」

だしプレッソをおいしく食べる方法を聞いてみると、どんどんとアイデアが思い浮かぶ様子。

「いかに手抜きするかってことは普段から私のテーマなんです(笑)。だからこういうアイデアはたくさん思いついちゃう。お味噌汁とか煮物を作るときはやきつべのだしも便利なんだけど、だしプレッソは火を使わなくても一品できちゃうのがすごい。だしパックを水出しするのともまた違って、すごく旨味が濃い。だからちょっとなにかを足すだけで十分なんですよね。家庭では再現できないだしだと思います」

この夏は、石井さんのアイデアをヒントに、だしプレッソが密かなブームになりそうです。

取材・文/藤井志織

プロフィール写真.jpgプロフィール

(株)カッシーナ・イクスシーにて10年間の勤務を経て、インテリアスタイリストとして独立。雑誌や広告などで、ライフスタイル提案など暮らしにまつわるスタリングを手がけている。住宅メーカーのモデルルームやカタログ、VMD講師などでも活躍。著書に『Love Customizer 1』『Love Customizer 2』『Daily Life』(すべてエクスナレッジ刊)、自身が編集長を務めるムック『Heima』(宝島社刊)などがある。オンラインのインテリア講座「Heima Home Design Lesson」(https://www.heimalesson.com)は、2022年に3月に第3期を募集予定。Instagramは @ kanaeishii_lc