• おだしの読み物 2020.05.26

これからの食生活スタイルとおだしのススメ

皆様元気でお過ごしでしょうか。

新型コロナウイルス感染症の流行が始まり私たちの日常生活が一変してしまいました。
休校・在宅勤務・外出自粛と、当たり前だった日常が急に止まってしまった感覚です。

しかし今、新しい生活様式を取り入れながら再び日常が動き出そうとしています。
これからの生活で私たちはどのように健康を維持・増進していくのか、食生活の視点から考えていきます。

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1.基本的な食生活を心掛けて

感染症の流行のため必然的に家で過ごす時間が長くなり、多くの方は以前よりも活動量が低下しています。

また買い物スタイルの変化から、数日分の食材を計画的に購入することも必要となっています。

このような状況下で懸念されることは、摂取カロリーが消費カロリーを上回り体重が増加すること、買い物の回数を減らすことで日持ちのする加工食品の摂取量が増え、結果として塩分や脂質の摂取量が増加し、栄養摂取バランスの乱れが起こること、生活リズムの乱れから偏食や欠食が起こることです。
これらの状況は蓄積していくと、健康状態の悪化や免疫力低下につながることが危惧されます。

今までに経験をしたことがない状況下でも健康を害さないためには、今の生活スタイルにあった食生活を行うこと、栄養バランスの摂り方が重要になります。

しかし特別難しいことをするのではなく、1日3食できるだけ同じ時間に同じくらいの量の食事をとって食生活のリズムを整える、1つの食品に偏らず様々な食品をまんべんなくとるように意識するといった基本的な食生活をあらためて心がけていくと良いでしょう。それが結果として体に取り入れる栄養のバランスを整えてくれるので、健康の維持・増進につながります。

そして皆さんは体重を毎日測っていますか?
毎日同じ時間に体重を測ることは食生活にも関係しており、体重が増えていけばエネルギーの摂取量が多く、減っていくとエネルギー不足という指標になります。
エネルギーは摂りすぎても、不足しても体には良くないので、体重を測って自分の体の状態を把握すること、変化があれば直近の食生活を振り返り、見直していくことに役立ててみましょう。

また買い物については、今までの習慣を変えてスーパーへ行く回数を減らした方も増えたかと思います。しかしその場合でも考え方は基本的に以前と同じで、食べきれる量かつ必要なものを買うように心がけることが大切です。何日分を想定して買うのかを決め、家にある食材をチェックしてから買い足す食材をメモして出かけると、買い忘れの心配がなく、スムーズに買い物が済みますね。何日分かをまとめて買う時は、食品の保存性が気になりますが、生鮮食品でも冷凍保存できるものは多くあるので、加工食品に頼り過ぎず、様々な食品をまんべんなく購入するように心がけると良いでしょう。

 

2.おだしが添える美味しさと健康

一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは様々な食品を自然ととることができるので、栄養バランスが整いやすい食事と言われています。品数を揃えることが難しい時は、主食・主菜・副菜を意識するだけでも十分です。食卓に揃える料理を意識するだけで栄養バランスは変わってきます。

特に健康を意識したい今だからこそ、家庭で作る料理も大切にしていただきたいです。そしてお料理に美味しさと健康を添えるエッセンスとして、今一度皆さまに「おだし」を見直していただけたらと思います。

おだしはうま味を多く含む食材から抽出されたもので、日本では古くから使われ、和食には欠かせない食材です。一見料理のベースと思われがちですが、ぜひ一度おだしをそのまま味わってみてください。口に広がるうま味と鼻にスッと抜ける芳醇な香りを体験していただくと、おだしは単なる料理のベースというイメージが覆るかと思います。

そもそもおだしに含まれるうま味とは、5つの基本味(甘味・塩味・酸味・苦味)の1つで、食材の持ち味を引き立てて料理の味に深みを加え、おいしさを構成する大事な要素です。そのため、おだしを様々な料理に取り入れることで、美味しさをより引き立たせることができます。

おだしのうま味には、素材そのものがもつ甘味や風味を引き立てる、野菜の苦味やえぐみ・魚の生臭さをやわらげる、素材のうま味と組み合わせた相乗効果でうま味を豊かにする、調味料の角をとって味をまろやかにする、といった様々な働きがあります。これらの働きを活かして、野菜の下ごしらえで茹でるときや蒸すときにおだしを加える、魚をおだしで蒸し焼きにする、煮魚の煮汁のベースにおだしを使う、肉料理の下味におだしを加える、などの様々な料理の場面でおだしを使ってみてはいかがでしょうか。

さらにおだしでうま味を加えることで味の満足感が上がるため、おいしさを保ちながら使う塩分の量を減らすことができ、減塩にもなります。またポタージュやクリーム系の濃厚なスープも、おだしを加えると脂質の多いバターやクリームの使用量を減らしても、コクのあるまろやかな仕上がりとなります。  

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3.おだしで広がる料理の幅

おだしを利用して今需要の高い市販の加工食品に一工夫加えてみるのも良いかもしれません。

例えば冷凍のから揚げを使って、野菜たっぷりのから揚げマリネはいかがでしょうか。おだしをベースにお酢と少量の砂糖と塩、唐辛子でマリネ液を作り、玉ねぎやセロリといった香味野菜の千切りを加えます。そこに温めた冷凍のから揚げを漬けて馴染ませます。時短かつ野菜もたっぷり摂れて、お肉とだしの相乗効果でマリネ液に加える調味料も控えられます。

コロナウイルスの影響による牛乳の消費量落ち込みを防ぐ対策として、農林水産省では牛乳やヨーグルトを1本多く消費する「プラスワンプロジェクト」がスタートしました。
そこで牛乳×おだしで乳和食にもこの機会にぜひチャレンジしてはいかがでしょうか。牛乳のコクとうま味がおだしのうま味と合わさり、相乗効果で美味しさが増します。またそのうま味によって使う調味料を減らすことができるため減塩にもつながり、さらにはカルシウムやたんぱく質もアップするという栄養面でのメリットもたくさんあります。

では、簡単に作れるみそ汁の作り方をご紹介。
味噌と牛乳を1:1の割合でとき、かつおだしに加えます。具には豆腐や根菜がおすすめですよ。まろやかでクリーミーなみそ汁はお子様にも人気が出そうですね。

このようにおだしにはたくさんの働きや使い方があります。
ぜひおだしを様々な料理に活用し、体想いの美味しい料理を生み出していただきたいです。

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4.だしプレッソ×これからの食生活スタイル

中々日常でだしをとることに馴染みがない方、だしをとることは難しそうというイメージを持つ方もいらっしゃると思います。そんな時は「だしプレッソ」がおすすめです。

だしプレッソはだし素材と水のみで抽出した液体だしです。煮出す手間がないので使い勝手はとても便利、温かい料理にも冷たい料理にもそのまま利用できます。
そして料理のベースやちょい足し、後がけなど調理の幅を広げて使えます。
もちろんそのまま温めて味わうもよし、温めたおだしにはリラックス効果があると言われているので、ブレイクタイムにいかがでしょうか。

液体だしという新しいスタイルのだしが、これからの食生活のスタイルを応援します。

だしプレッソ 商品ページはこちら。




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管理栄養士 野口友美さん

食生活アドバイザー。保育園給食の献立作成・食育・調理を経験。その後、大手食品会社の流動食等の相談、特定保健指導の業務に携わる。学生時代は食物アレルギーの研究、料理教室のアシスタントを経験。現在は離乳食や500kcal献立の料理教室、食育ワークショップを開催。

管理栄養士・栄養士を応援するサイトEatreatでも、イートリスタとして活躍中。紹介ページはコチラ