• だしと私 2019.10.01

vol.13 バイヤー 斉藤善与さん・惠実さん夫妻

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いつも楽しそうに微笑んでいる夫婦がいて、素敵だなあと思っていたら、いつしか新しい命が宿り、家族が3人に増えていました。それは今回、お話をうかがった斎藤さんのこと。ロングライフデザインをテーマに、家具や雑貨を販売する店舗とカフェを経営するD&DEPARTMENTでUSEDのバイヤーとして働く斉藤善与さんと、セレクトショップ URBAN RESEARCH DOORSのバイヤーとして働く恵実さんの幸せな暮らしの様子を拝見してきました。

出産後の暮らしを支える

夫婦の協力体制

斉藤夫妻に長男が生まれたのは、約1年前のこと。恵実さんも育休から仕事に復帰して、さぞやバタバタしているであろうと思いきや、相変わらず、やさしい空気が漂っている様子。

「いやいや、やっぱり大変ですよ。毎日、夜の10時には2人とも布団に倒れ込んでいます。世の中のお母さんはすごいなあって(笑)」

と恵実さん。2人の毎日は、朝の5時から始まるとか。

「息子が起きる時間に、私たちも起きてしまうんです。出産以来、自然と朝方生活に変わりましたね。出勤まで時間があるので、ゆっくりと朝ごはんを食べて、子どもの話やたわいもない話をしています」

朝ごはんは、いつも定番の目玉焼きとウインナーにパン。ごはんのときは納豆もプラス。夕飯のお味噌汁が残っていれば、一緒にいただくのだそう。

「夕方は仕事から帰って保育園にお迎えに。それから離乳食を食べさせて、お風呂に入れてとやっているうちに、あっという間にパパが帰ってきます」

善与さんは料理担当。仕事帰りにスーパーへ寄って夕飯の買い出しをし、恵実さんが息子を寝かしつけているあいだに夫婦の夕食を作ります。

「朝ごはんも夜ごはんも作ってくれるので、本当に助かっています。私は息子の離乳食担当で、週末にまとめて作ったものを、毎日あたためて食べさせているだけ」

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出産前から、料理が得意な善与さんは夫婦の食事を作ってきました。

「うちは両親が共働きで、手伝わないとごはんにありつけない(笑)。それで中学生くらいの頃から自分で料理をしていました。食べたいものが作れるから、けっこう楽しくて。大好物は揚げものと納豆。お弁当も自分で茶色いおかずを詰めてましたね」

なんでもない日々の暮らしを

少しだけ特別にしてくれるだし

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取材当日も、おいしい料理でもてなしてくれた善与さん。ポトフは、恵実さんが作ったもの。

「私は野菜料理が好きで、ポトフは定番。離乳食って、野菜もほんのちょっとしか使わないから、余りをポトフにすることが多いんです。鍋に野菜と水、やきつべのだしを2パック入れて、一緒にぐつぐつ煮込んじゃう。あとはほったらかしです。だしの味がおいしいので、あとは塩とこしょうのみ。たまにコンソメスープの素を加えたりすることも」

産休中は、恵実さんも夕食作りを担当していました。

「レシピはネットで調べて、材料を1から買い込んで。よく聞く男性の料理ですよね(笑)。今はさすがに、余った食材をどう利用するかってことも考えるようになりましたけど、やっぱりごはんは旦那さんに作ってもらうのがうれしい」

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外食するときは洋食も多いので、普段の斉藤家の食卓は和食や中華が基本。この日の料理も、かぼちゃの煮物、ナスの揚げ浸し、炊き込みごはんと、だしが効いたしみじみとした味わい。

「息子が生まれる前は、時間があれば鰹節と昆布でだしをとっていたけれど、出産後はそんな時間がない。ということで、だしパックは日常生活の支えになってます」

だしパックは、スーパーで買ってみたり、人にもらったりといろいろ使ってみたのだそう。

「やきつべのだしはいただいて使ってみたんですが、最初は少し薄いかな?と。でも毎日使っていたら、やっぱりおいしいなと思うようになって。この炊き込みごはんも、だしパックを使いました。土鍋に米、きのこ、ほたての貝柱の缶詰、やきつべのだし、塩、お酒を入れて炊き込んだだけ」

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人を招いてもてなすときは、土鍋でごはんを炊いて、そのままサーブすることが多いそう。タイの鶏飯「カオマンガイ」も得意料理の一つだと言います。もう一品のナスの揚げ浸しも、やきつべのだしを使用しているとのこと。

「揚げものとなると面倒なので、フライパンに油を多めに入れて、なすを揚げ焼きにしてから、やきつべのだしと香る鰹だし醤油、砂糖、みりん、水を加えて5分くらい煮るだけ。冷蔵庫で冷やしておき、食べる前におろししょうがとねぎ、鰹節をかけました」

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だしで野菜を煮て、離乳食用に取り分けた残りを大人用の味噌汁にすることも。

「だしは子どもの離乳食にも便利ですよね。いつもはだしで和食を作っていますが、中華とか洋食に使うと、おいしいなあと気づきます。旨味を感じるということ自体が、日本人独特の感覚なんだと思うんですよね。旨味って、味というよりも深みというか。魚介でだしをとるような文化があるところは、同じ感覚を持っているかもしれませんね」

善与さんはやきつべのだしと同じくらい、香る鰹だし醤油も使いこなしている様子。

「最近、夜はお米を食べないようにしているので、代わりに冷奴を食べるんですが、香る鰹だし醤油がめちゃくちゃ合うんです。これとハイボールは最高の組み合わせ」

どんなに忙しくても、家で作った料理が好きだと言います。

「実家も忙しかったけれど、自炊が基本でした。今の旬の食材はなんだろうと考えるのも楽しみだし。今日は旬のかぼちゃを砂糖少しで煮て、仕上げに深み鰹白だしを加えましたよ」

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恵実さんから食べたいものをリクエストしたりしますか?と聞いてみました。

「冷蔵庫にある食材を使いたいから、リクエストは受け付けません(笑)。ただ、かぶらないように、『今日のお昼は何を食べた?』っていうことは毎日聞きますね」

大切な人との

穏やかな暮らし

そんな斉藤家の料理のおいしさを引き立てるのが、陶芸家の鈴木稔さんの器。

「我が家の器は、ほとんどが鈴木稔さんの作品ですね。鈴木さんの人柄も大好きで、仲良くさせてもらっています。年に数回の窯焚きの際は、泊まり込みで手伝ったり」

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器が好きなのは、実家のお父さん譲りなのだそう。

「趣味は違うけど、父が仕事の合間にお客さんに好きな器でコーヒーを淹れたりする姿を見ていて、なんとなく影響されているんでしょうね」

電子レンジは使えなくても、気に入った器に自分で作った料理をのせ、家族と一緒に食べる。それが今の斉藤夫妻の幸せな暮らしです。

「出産前や産休中はよく友達を呼んでごはん会をしたりしてましたね。最近は忙しくて、なかなかできていないけれど」

付き合うまでは毎日、終電まで仕事をしていた善与さん。恵実さんと一緒に暮らすようになってから、毎日早く帰るようになったのだそう。

「会社で鬼嫁説が出てないか心配なんですけど(笑)」

喧嘩をしたこともなく、やさしい善与さんに不満はまったくないという恵実さん。善与さんが出張に行くときは、恵実さんが困らないよう、豚汁を寸胴鍋いっぱいに作っておいてくれるのだとか。

そんな幸せいっぱいの斉藤さん一家の暮らしに、やきつべのだしが役立っているのはうれしい限りです。

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取材・文/藤井志織

プロフィール

D&DEPARTMENTでUSEDのバイヤーとして働く斉藤善与さんと、URBAN RESARCH DOORSでバイヤーとして働く越井恵実さんの夫婦。昨年、息子が生まれて新居に引っ越してきた。子どもの保育園活動などは妻が主に把握しつつも、家事、育児全般を夫が全面的に手伝うという仲良し家族。休日は車で買い物に行くのが最近の楽しみ。