• だしと私 2019.02.05

vol.5 ブランディングディレクター 佐藤香菜さん

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「Cosme Kitchen」のスタッフを経て、オーガニックの食関係をテーマにした「Biople by CosmeKitchen」を立ち上げた佐藤香菜さん。現在は独立して、フリーランスでさまざまな企業のブランディングなどに携わっています。プライベートでは、去年結婚。"食"は共通の趣味のようなもの、というご夫婦の幸せな暮らしについても、お話を伺いました。

健康にも美容にも

和食とだしは効くと実感しています

「フリーランスになってまだ2ヶ月ですが、料理ができる日はその幸せを噛み締めています。やっぱり出勤していたときは、帰宅時間が遅かったし、料理に時間をかけられなかった。でも、どんなに遅くなっても、店舗スタッフ時代は毎日、本社勤務時代は週末だけでも、必ずごはんを作っていました。簡単な炒めものでも、料理をするという行為が好きで、元気になれるから。休日にはお菓子を作ったりもしていましたね」

その頃から今に至るまで、作るのは和食がほとんどだとか。

「外で食べるのはエスニックなども好きだけど、家では和食がほとんど。煮物とか、だしを感じる料理が大好きなんです。海外に行くときは煮干しを持って行って、口のなかでだしをとるくらい(笑)。特にフランスに行くと、なんだかだしを欲するんですよね。梅干しのチューブを口のなかに絞り出しながら、真夏のフランスを歩いたことも(笑)」

海外に行くと、和食のありがたみを感じるそう。

「日本食以外だと、例えばカレーにはナン、シチューにはパンやクスクスなど、小麦粉がセットになっていることが多いですよね。私はごはんが大好きで、白米や玄米をよく食べるのですが、和食はごはんに合わせた献立のバランスがいいと思うんです」

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こちらは「やきつべのだし 鰹 荒節」を使った里芋の煮物。「さくさく鰹ふりかけ」をかけてアクセントに。器は、タイ北部のドイディンデーンという焼き物だそう。

いつもは適当に食べたいものを作っているけれど、スーパーで見たものとか、外で食べたものの素材の組み合わせや味付けを参考にすることも。

「だしを使うメニューをよく作ります。炊き込みごはんとか、いかと里芋の煮物、筑前煮、肉じゃがなどなど。肉じゃがは、長ねぎを大きめに切って使うのが私流です。お麩を炒めたのも大好き。お麩が素材のだしやうま味を全部吸ってくれるから。こないだ夫が具合が悪かったときは、雑炊を作ってみたらおいしくて! それ以来、体調がよくてもよく作るようになりました。鮭とか鶏を入れるのが気に入っています」

創作するという楽しみを

料理にも仕事にも見出して

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料理だけでなく、佐藤さんは"つくる"という行為が得意。それは、幼い頃からの教育によるところが大きいと言います。

「母は専業主婦だったんですが、まだナチュラルとかオーガニックなんていう言葉が一般的ではなかった時代に、自然食にこだわって日々の食事を作ってくれていました。学生の頃はインスタントラーメンを食べたりもしたけれど、大人になったらやっぱり自分も自然食が好きになって。

絵本やおもちゃも、母が上質なものを厳選してくれていました。料理も遊びも、なんにもないところから自分で作り上げるように育てられたことは、自分の仕事にも大きく影響していると思います」

そんな環境に育った佐藤さんだから、前職での活躍は目覚ましく、新ブランドの立ち上げも担当。

「最初はアルバイトとして入社したんです。好きなことをしよう、とのんびり考えていたのに、3年働いている間にいつの間にか店長になっていました。お店って、工夫次第ですぐに売り上げが伸びたり、雰囲気が良くなると思います。それが面白くて、いろいろなことを工夫して考えていたら、今度は新しいコンセプトのブランドを担当してと言われて。「Biople(ビープル)」というブランド名を考えるところから作り上げるのは大変だけど、すごく楽しかったですね」

やがて、佐藤さんは独立。フリーランスとして企業のディレクションなどに携わる一方で、プライベートでは昨年、結婚。実はご主人も、料理が得意だそう。

「夫とは最初から味覚が似ていましたね。私にとって、食を大事にしない人と付き合うのは難しい。料理や、おいしいものを一緒に食べるのが、夫婦の共通の趣味と言えるかもしれません。新商品の「深み鰹白だし」を見た夫が作ってくれたのが、このトマトの揚げ出しです」

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仲良し夫婦の秘訣は

おいしいを共有できること

週末は主にご主人が料理を担当。週末の朝は、ご主人が作るパスタの匂いで目が覚めるとか! まるでフランス人のような甘いエピソード。

「実は、プロポーズされたときは、友人のお店を貸切にして、前菜からアマレットを使った本格的な杏仁豆腐まで、自分で中華のフルコースを作ってくれたんです。最後に、自作の木箱をおもむろに持ってきて、その中には1本のバラが。指輪とかファッションは好みが難しいからと、代わりにバラを用意してくれたそうなんですが、彼は緊張のあまり「バラって1本500円もするんだね」なんて言うから、思わず爆笑!」

そんな2人の結婚式の引き出物は、なんと「やいづ善八」の「やきつべのだし 鰹 荒節」でした。

「パッケージのデザインも縁起よい感じだし、引き出物にいいなと思って荒節を選びました。いりこや鰹など、いろいろなメーカーのだしパックを使っていますが、「やきつべのだし」は、穏やかで繊細な味わいが大好きなんです。素材の味を消さず、引き立ててくれるところがいい。上質な食材を使って料理をするときに使いたいだしなんですよね」

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こちらもご主人作の、オクラとミョウガのアーリオオーリオ。フランスの作家ものの器に盛り付けて。

ご主人のご両親が作っている野菜がたくさん届くということもあり、食材はなるべく新鮮なものを使うことにこだわっているという佐藤さん。

「母にも、いい水といい調味料を使いなさい、と幼い頃からずっと言われ続けてきました。おいしいものを作るには、調味料を選ぶことが大事だと思うんです。それから、おいしいものを食べたいという気持ちも大事。だから、自分で料理をすることと同じくらい、外で食べて経験を積むことも必要だと思います。そういう意識や経験が、自分の味覚を鍛えることになる。例えば知らないレストランの前を通ったときも、そこがおいしいかおいしくないかを判断できるようになるはずです」

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調味料は、海外で買ってきたものやお土産でいただいたものが多いそう。「そんな世界中の調味料と、だしを合わせたりするのが好きです」と佐藤さん。

上質な鰹だしは

美肌の救世主にもなる?!

美容業界に身を置いているということもあって、肌の悩み相談を受けることも多いそう。

「化粧品で外から治そうと思う人が多いんです。もちろんそれもいいし、効くものもたくさんありますが、肌の不調って実は腸内とか栄養の問題だったりする。だからいちばん効果的なのは、やっぱり食だと思います。私自身、風邪もひかないし、アレルギーもなく、とても健康なのは、母が作ってくれていた料理のおかげだと思うから」

そんな佐藤さんの持論が、「だしは飲む美容液」。

「以前アトピーの相談を受けたときに、化粧品と共におすすめしたのが、だしでした。魚の成分に、人間の肌にとって大事な成分が入っていて、角質を潤すと聞いたことがありますが、いいだしを日常的にとっていることのほうが、サプリを飲むより大切なのではないかと。だから、だしをただ食べ物としてだけでなく、美容食として紹介したいくらい。だしを飲むっていう習慣を根付かせたいですね。忙しくても、会社のデスクでもだしはとれるんです。私も会社で夜におなかがすくと、マグカップに水とだしパックを入れて電子レンジで温めて、塩を少し足しただけの「飲むだし」を、飲んでました」

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「いつか、「やいづ善八」が作る究極の味噌汁を食べてみたい!」というだしラバーの佐藤さんが、今欲しいのは、だし塩だそう。

「煮出さずにだしを料理に使えたら便利だなーと。チャーハンを作るときに、ぱぱっと振ったりして、おいしそうじゃないですか?」

取材・文/藤井志織

プロフィール

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佐藤 香菜

ブランディングディレクター。オーガニックコスメ&フードショップの立ち上げとディレクションを経て、多数の企業のコンサルティングに関わるフリーランスに。世界中の魅力的なオーガニックコスメやフード、エコ雑貨を求めて旅する様子は、TVの密着番組や雑誌、本人が実体験に基づく言葉で綴るインスタグラム等で発信されている。

Instagram: kana_sato622