• だしと私 2019.03.08

vol.6 料理家 オカズデザイン

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吉岡秀治・知子夫妻によるユニット、オカズデザイン。書籍や雑誌でのレシピ制作のほか、器の開発、映画やドラマの料理監修などを手がけています。繊細ながら骨太な料理と、独特のセンスを感じさせる美しいコーディネートにファンが多く、主宰する料理会は常に満席。
"時間がおいしくしてくれるもの"をテーマに、シンプルで普遍的なもの作りを目指しているというオカズデザインにとって、だしとの付き合い方を伺いました。


だしは料理の根本。
主役にも脇役にもなる

「数年前から、岡山県真庭市の蒜山とギャラリーのある東京を行き来しながら、2拠点で活動しているのですが、蒜山を選んだ決め手は水です。日本中、水がおいしいところをたくさん巡りましたが、蒜山の水は理想だったんです。飲んでいてもしっくりくるし、だしを引きやすい水質だったんですね」

オカズデザインにとってだしは、ずばり料理の根本だと考えているそう。鰹や昆布のだしはもちろんのこと、野菜や魚、動物のスープストックも、オカズデザインの料理にとって欠かせない存在です。

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「蒜山という場所は森と里が繋がっている場所。親しくしている蒜山耕藝という農家が作っているおいしい野菜が常にあり、ある日突然、山でイノシシが獲れたぞと届くこともしばしば。そんな環境だから、素材が新鮮なうちに下処理するので大忙しなんです(笑)。イノシシやシカをさばいたら、その骨でスープをとる。釣った魚が届いたら、その骨でもスープをとる。季節ごとの素材をつかってだしをとるので、だし自体にも季節ごとの味が出てきますよね」

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こちらの写真は、蒜山の在来野菜である土居分小菜。独特の旨みが出るそう。
だしは常に一定の味だと思いがちだけれど、だしにも季節ごとの味があると考えると、だしは主役にもなり得るのです。

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蒜山耕藝の野菜と自家製の猪ハムのジュレ。解体した猪の骨と野菜の端切れでとったスープで固めているそう。


「貴重な食材が手に入ったら、そのだしを主役にした料理を考えることもあります。例えば先日は、旬のさごしという魚が届いたので、稲藁でかるく炙っていただいたんですが、その骨からもだしをとりました。それで作っただし巻き卵は、非常に上品な味わいでしたよ。貝や魚、野菜からは特に、季節感が出ますよね」

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一方で、だしは名脇役にもなると言います。

「だしの役割としては、縁の下で支える役がメインですよね。でもすごく重要な仕事をする。おいしいだしがほんのちょっとあるだけで、味の芯ができるというか、すっと筋が通るようになる。じゃがいもと玉ねぎとバターと水だけでもポタージュは作れるけど、そこに、昆布を数時間浸けた水を少し加えるだけで、きれいな方向性が生まれるんです」

冒頭の写真の塩ラーメンは、いりこと厚削りの鰹節、昆布のだしと、丸鶏の一番だしを合わせて、レモンを添えたもの。


日々の暮らしにだしが欲しいとき
上質なパックだしは支えになる

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丁寧な料理がオカズデザインの身上ではあるけれど、自分たちのために丁寧なだしをとる余裕がないときもあります。

「バタバタしていて、鰹節から鰹だしをとったり、前の晩から昆布をつけたりもできないということはしょっちゅうあります。料理会などのイベント時にだしを使うときは、2番だしを自分たちで使っていますが、それもないときだってある。だけど疲れているときこそ、お味噌汁やシンプルなうどんが食べたくなるんですよね。そんなとき、「やきつべのだし」を重宝しています。デザインがきれいだから、料理家なのにパックだしで手抜きをしているっていう罪悪感がないのもいい(笑)」

疲れているときに自分たちのことをおろそかにすると、気持ちがすさんでくるもの。そういうときこそ、手軽に上質なだしがとれる「やきつべのだし」を利用して。

「最初は友人にいただいて知ったんですが、おいしかったので、オンラインショップで購入するようになりました。一般的なパックだしってひと口目で満足するように作られていることが多い気がしますが、そうすると味が単調で飽きてしまう。「やきつべのだし」は味が立ちすぎていないから、野菜などほかの素材の味を引き立ててくれる。まさに縁の下の力持ちですよね」

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こちらはりんごとハーブ、野菜の端っこでスープストックをとっているところ。よい香りが想像されます。

"だし感"があると料理はおいしくなる


オカズデザインの料理は、食べた人から「幸せな余韻が長く続く」と言われています。それは、一つの料理にいろいろな甘さや味わいがあるから。バランスの取り方が絶妙なのです。

「2月の器料理会では、大根と里芋と白子のグラタンを作りました。グラタンというと重めの洋食ですが、コースのうちの1皿だからさらっとかるい感じにしたかったんです。それで大根と里芋をだしで炊いてから、ベシャメルソースと合わせました。鰹だしってバターとよく合うし、重さを和らげてくれるんですよね。この組み合わせは、日本の洋食ならではの良さだなと思います」


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さまざまなだしを使い分けるオカズデザインですが、料理の献立はどのように決め、どういうときにだしが必要だと感じるのか?

「料理会のときは、展示作家の作品のイメージに合わせて、フルコースを組み立てています。作家がどのようなことを表現したいのか、作品を生かす料理はどんなものか。もちろんその季節の食材も考慮しながらメニューを決めていきます。温かいスープがあるとほっとするかなとか、揚げもので気分を上げていこう、という感じ。そこにどんなニュアンスを足すかという視点でだしを選ぶんです。例えば、森のさわやかな香りを添えたいなと思ったら、黒文字という木の枝でとっただしを加えたり」

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ときには、だしを使わず、"だし感"をプラスすることも。

「ちょっと味が弱いかなと思ったときは、お酒を多めに入れるといいですよ。お酒にはだし感があって、うまみや甘み、香りを強めてくれる気がします。だし感って、舌の横が広がる感覚の味わい。酸味にもだし感があるといいから、レモン汁だけでなく、ライムを使うのが好みです」

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こちらがオカズデザインのギャラリーでもあり、器と料理の会を開催する場所でもある「カモシカ」。洗練されていながらも居心地のよい空間。

旅先で料理を楽しむときにも
パックだしが活躍!

実はインタビューのすぐ後、アルザスへの旅行を計画中だったオカズデザイン。

「ご縁があって遊びに行くのですが、オーガニックの野菜や上質な素材がたくさんあるみたいで、現地で料理をするのが楽しみなんです。「やきつべのだし」も持っていくつもりです」

そこでアルザスから、使った様子の写真も送っていただきました。

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アルザスでは、毎日おいしいワインと料理を満喫のオカズデザイン。友人宅では、だし巻き卵を「やきつべのだし」で作ったそう。

プロフィール

profile.jpgオカズデザイン

2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。"時間がおいしくしてくれるもの"をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。
2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。
著書に、『二菜弁当』(成美堂出版)、『マリネ』(主婦と生活社刊)、『つくっておく、とっておく』(NHK出版刊)、『豚ごはん』、小川糸との共著『食堂かたつむりの料理』(共にポプラ社刊)。
映像では映画『食堂かたつむり』(2010東宝)、NHK朝の連続テレビ小説『てっぱん』(2010-2011)、NHK特集ドラマ『紅雲町珈琲屋こよみ』(2015)料理監修・制作。
NHK朝の連続テレビ小説『半分、青い。』料理指導を担当。※文中敬称略